「刀装具 新・解体新書」発刊のお知らせ

名刀を彩る刀装具は、専門の金工師たちが伝統的な技を磨き、さまざまな名品が生み出されてきました。「鐔」、「目貫」、「小柄」、「笄」、「縁頭」などの種類があり、それぞれ小さな空間に精緻な細工や技巧が施され、美術的価値も高く武士道の美の極致ともいえます。武士の命を守る刀剣に施された刀装は、機能美と装飾性を兼ね備え、刀装を見れば持ち主の身分や家柄、財力、教養に至るまでわかるとされたほどでした。
古い時代の鉄鐔、刀匠鐔など実用に特化した作品や、将軍家御用達として室町時代から400年にわたり将軍・大名家の刀装を手掛けた「家彫」の後藤家の作品。さらに、「町彫」を創始した横谷宗珉をはじめ、奈良利寿、杉浦乗意、土屋安親など名工たちが手がけた、なかなか目にすることのできない秘蔵の名品の数々を鑑賞ポイントとともにわかりやすく紹介した一冊です。

【目次】
はじめに
第1章 刀装具の基礎知識
刀装具って何?…
刀装具の成り立ちと鑑賞のポイント
主な金工流派
刀装具 各部位の名称と解説

小柄

縁頭
目貫
刀装具の用語解説

第2章 刀装具 作者別・作品紹介(作者50音順)
青木春貫 鶏合せ目貫 ・ 赤坂忠重 八橋透図鐔
石黒是美 芦原に水鳥図大小縁頭 ・ 石黒政常 親子鶏図縁頭
泉公士郎 水龍図鐔 ・ 一宮長常 犬図目貫
岩本昆寛 芦に白鷺図縁頭 ・ 埋忠明寿 樫図鐔
海野勝珉 鬼鍾馗図目貫 ・ 大月光興 笠乗仙人図小柄
大森英秀 唐子遊戯図鐔:縁頭 ・ 大森英昌 枝牡丹に蝶図二所物
泰山元孚 二疋狗子図鐔 ・ 尾張 瓢箪透図鐔
金山 花先に杉森透図鐔 ・ 金家 猿猴捕月図鐔
加納夏雄 波涛図目貫 ・ 河野春明 菊花図小柄
古甲冑師 糸巻透図鐔 ・ 古金工 這龍目貫
古正阿弥 龍田川図鐔 ・ 古刀匠 三日月透図鐔
後藤祐乗 韋駄天鬼金目貫 ・ 後藤宗乗 二疋龍図小柄
後藤乗真 龍図三所物 ・ 後藤光乗 色絵聖之笄
後藤徳乗 龍虎金目貫 ・ 後藤栄乗 波に弦月図笄
後藤顕乗 孔雀羽根図三所物 ・ 後藤程乗 十二支図二所物
後藤廉乗 満月帰帆図小柄 ・ 後藤一乗 七福神図三所物
阪井俊政 龍虎図小柄 ・ 篠山篤興 狗児図鐔
柴原寿良 孟宗図縁頭 ・ 志水仁兵衛 老唐松に梟図鐔
杉浦乗意 関帝図小柄 ・ 染谷知信 山水図鐔
津尋甫 山百合図縁頭 ・ 土屋安親 張果老図透鐔
奈良利寿 雨下猛虎図鐔 ・ 西垣勘四郎 苫舟透図鐔
信家(初代) 瓢唐草・七字題目鐔 ・ 信家(2代) 運有天・七字題目鐔
萩谷勝平 秋草に鶉図縁頭 ・ 橋本一至(2代) 春秋草花千鳥図大小鐔
浜野矩随・奈良利寿 明烏図鐔 ・ 浜野政随 江戸名物 三囲神社・日本橋図二所物
林又七 桜文二重唐草象嵌鐔 ・ 平田彦三 二引両透散紙象嵌鐔
宮本武蔵 一羽雁目貫 ・ 伝宮本武蔵 時雨雁図小柄
横谷宗珉 一疋獅子目貫 ・ 横谷宗與 蝙蝠図二所物
米光光正 双巴透叢雲象嵌鐔

Column
「柱絵」誕生を促した刀装具
信じる者は救われる?
切支丹鐔の謎
あとがきにかえて

以上


【筆者プロフィール】
生田享子(いくたきょうこ)
学習院大学文学部史学科卒業(日本近世史専攻)。同大学史学科研究室副 手、同大学史料館学芸員を経て、現在(公財)日本刀文化振興協会特別 研究員。

【書誌情報】
書名:『刀装具 新・解体新書』
仕様:A5版 160ページ
定価:2420円(本体2200+税10%)
発売日:2022年1月17日

全国書店、オンライン書店のAmazonなどで発売中。
https://amzn.to/2WAn3su

【株式会社天夢人】 https://temjin-g.com/
2007年設立。隔月刊雑誌『旅と鉄道(奇数月21日発売)』をはじめとする、鉄道・旅・歴史・民俗・カルチャーをテーマとした雑誌や書籍を発行し、人生を豊かにするための情報を発信しています。

【インプレスグループ】 https://www.impressholdings.com/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:松本大輔、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「航空・鉄道」「モバイルサービス」「学術・理工学」を主要テーマに専門性の高いメディア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。
以上

【本件に関するお問合せ先】
株式会社天夢人   担当:野口
Tel: 03-6413-8755 / E-mail: info@temjin-g.co.jp
URL:https://temjin-g.com/

第12回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」募集のご案内

刀文協は令和4年度の公益目的事業として、長野県の坂城町並びに坂城町鉄の展示館と共催により、下記の通り第12回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」を開催します。

昨年はコロナ禍という不安な状況でしたが、坂城町鉄の展示館はじめ、関係各位のご協力で「第11回展」を無事開催することが出来まして刀職者の皆さまの貴重な作品発表の機会となりました。

本展は下記の通り、大臣賞をはじめ各賞をもって優れた作品を顕彰する「コンクール形式」とするとともに、併せて、当協会の会員・非会員であることに関係なく、日本刀製作に携わる全ての職方の皆さまの成果を広く一般に公開し、正に日本刀文化の振興を図るものであります。

尚、国の重要文化財であります「宝物殿」が令和3年に竣工100年を迎えた明治神宮では、令和4年、明治天皇ご生誕170年を迎えるにあたり、「第12回展」とは別に、刀文協主催の特別展「現代刀剣作品展」を開催することになりました。(概要は後述)

特別展に併せ、記念として公開イベントも計画いたしますので、皆さまには鋭意ご応募いただきますよう、開催の概要に関しご案内を申し上げます。ご好評をいただいた前回の実績を踏まえ、今回もさらに充実した作品のご出品を期待しております。

※今回も、作刀・刀身彫刻/研磨/刀装の3部門の他に、特別公開部門として、“Sword Oshigata Art”部門を設けます。詳細はこちらのご案内をご覧ください。

○会 場:「坂城町 鉄の展示館」
    〒389-0601 長野県埴科郡坂城町坂城6313-2
○会 期:令和4年6月11日(土)~8月28日(日)
     尚、授賞式・懇親会は開催初日を予定
○部 門:作刀・刀身彫刻/研磨/刀装の3部門
○分 野:作刀・刀身彫刻・研磨・鐔(その他刀装具)・白銀(鎺その他金具)・白鞘・拵下地・柄巻き・鞘塗り・拵

●審査申込締切:4月8日(金)必着
 審査申込書(PDF形式)はこちらからダウンロード
 審査申込書(Excel形式)はこちらからダウンロード
*申込者には、4月18日頃までに出品票・審査料振込用紙を送付いたします。

●作品受付:令和4年4月21日(木)・22日(金)の2日間、午前10時より午後4時まで。
 坂城町 鉄の展示館(長野県埴科郡坂城町坂城6313-2)
 送付による受付も可。但し、上記期間内必着。「時間指定なし」で送付のこと。

 応募の留意事項はこちら(PDF)

【特別展概要】

上記、第12回展の入賞作品を展示すると共に、一般社団法人日本甲冑武具保存会の協力を得て一部、甲冑を展示するなど日本刀に縁の深い明治天皇のご生誕170年を寿ぎ、日本の誇るサムライ文化を国内外に広報する機会と致します。

第12回展出品作品以外の出品作品については、別途、出品審査会を開催し、「明治神宮 宝物殿」での展示に相応しい作品を選定いたします。尚、第12回展の入賞作品は坂城町での展示が終わった後、一旦お返しし、10月に再度お送りいただく予定ですが詳細は後日発表いたします。

特別展名称  明治天皇ご生誕170年記念「現代刀剣作品展」(仮称)
会場「明治神宮 宝物殿」(国の重要文化財)
     〒151-8557 東京都渋谷区代々木神園町1-1
会期 令和4年10月下旬~11月下旬(明治神宮と調整中)

※その他の詳細は事務局にお問い合わせください。

 公益財団法人日本刀文化振興協会 事務局
 〒115-0044 東京都北区赤羽南2-4-7 鷹匠ハイツ301号
 https://www.nbsk-jp.org/  電話03(5249)4440 FAX03(5249)0065 E-MAIL tbk@nbsk-jp.org

第6回「特別公開部門“Sword Oshigata Art”部門」募集のご案内

 当協会では、来年6月11日(土)から開催する第12回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術者展覧会」において、第6回の特別公開部門として「“Sword Oshigata Art”部門」を同時開催致します。
「押形」コンクールは当協会の皆さまはじめ、日本刀の従事者や愛刀家の皆さまより大変ご好評をいただいており日本刀を広く一般の皆さまに深くご理解いただくための展覧会として実施いたします。 
 つきましては、奮ってご応募下さいますようお願い申し上げます。
※ 仮巻き軸に自分で張った(部分的な仮止めでも良い)簡易表装も認めます。

○「特別公開部門“Sword Oshigata Art”部門」は、第12回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」とは別の展覧会として、専用の「審査申込書」で扱われます。

○会場、会期、受付、審査の日程は、第12回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」と同様といたします。

●審査申込締切:令和4年月8日(金)必着
審査申込書(PDF形式)はこちらからダウンロード
審査申込書(Excel形式)はこちらからダウンロード
*申込者には、4月18日頃までに出品票・審査料振込用紙を送付いたします。

●作品受付:令和4年4月21日(木)・22日(金)の2日間・午前10時より午後4時まで
送付による受付も可。但し、上記期間内必着。「時間指定なし」で送付のこと

応募の留意事項はこちら

 

『過去の優秀作品』

「NHK WORLD Spritual Explores」放送のお知らせ

25分の英語版の番組放送は12月26日から。
NHKオンデマンドなどでも配信されます。
こちらでは1年間、いつでも視聴できます。

ぜひ、ご覧ください。

【英語版】「Spiritual explorers」
●12月26日(日)「NHK WORLDーJAPAN」にて放送(1日4回放送)
●初回放送日より2年以内において 「NHK WORLD-JAPAN」で5回の再放送と、同ホームページでの「同時再送信」
●「NHKワールド公式YouTubeチャンネル」での初回放送後1年間の配信
●「NHKワールド・ビデオ・オンデマンド」での配信(初回放送日から起算して1年間
ご視聴はこちら (NHKのサイトに移動します)

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/special/episode/202112261010/

年末年始のおしらせ

本年も本協会の活動にご協力・ご参加いただきありがとうございました。

誠に勝手ながら、協会事務局は、12月25日(土)〜1月5日(水)まで休業とさせていただきます。

明くる年も、より一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

「埼玉wabisabi大祭典2021」のご来場御礼

11月20日(土)、21日(日)と大宮で開催されました「埼玉wabisabi大祭典2021」に多数ご来場頂きありがとうございました。2日間にわたりました刀文協のワークショップも好評のうちに終了いたしました。

尚、20日に開催しましたパークステージでの刀職者4名によるトークショウの模様はYoutubeにてご覧いただくことが出来ます。(開始から1時間〜1時間35分あたりに出演)

【11月20日(土)パークステージ】埼玉WABI SABI 大祭典2021 – YouTube

「埼玉 WABI SABI 大祭典2021」11/20(土)・21(日)

11月20日(土)と11月21日(日)の二日間にわたって開催されます「埼玉WABI SABI大祭典2021」に埼玉在住の刀職者が出演します。

埼玉 WABI SABI 大祭典2021

有料イベントへの参加申込はHPからお願いします。
【開催内容及び日時】
●ステージイベント
11月20日(土)⒒:30~12:00
〜刀の世界に生きる匠たち〜
川﨑晶平、下島房宙、水田吉政、森井 鐵太郞に語っていただきます。
【開催場所】大宮公園内

●ワークショップ
触れて観る日本刀~銘切り体験と刀剣鑑賞
11月20日(土)10:00〜、13:00〜、14:00〜、15:00〜、16:00〜
触れて観る日本刀~研磨体験と刀剣鑑賞
11月21日(日)10:00〜、11:00〜、13:00〜、14:00〜、15:00〜
【開催場所】
高鼻コミュニティセンター 3階 和室、第6・7会議室
アクセス→高鼻コミュニティセンター

公益財団法人さいたま市文化振興事業団

「新御番鍛冶プロジェクト」のお知らせ

現代最高峰の刀匠による隠岐神社への刀剣奉納「新御番鍛冶プロジェクト」始動。

2021年は、後鳥羽上皇が隠岐に遷られてから800周年の記念の年にあたります。
後鳥羽院は刀剣をこよなく愛し、優れた刀匠を庇護したと伝えられています。そんな彼のもとには「御番鍛冶」と呼ばれる名のある刀鍛冶が多く仕え、現在に残る名刀が多く生み出されることとなりました。

「新御番鍛冶プロジェクト」は、御番鍛冶の伝承を現代に甦らせ、後鳥羽院をまつる隠岐神社に現代最高峰の刀工技術で作る刀を奉納することで、刀剣文化を記憶、そして次の世代に継承してゆくことを目指して走り出しました。

令和3年(2021)10月16日(土)の隠岐神社の後鳥羽院遷幸800年記念大祭における神前鍛錬を皮切りに、新御番鍛冶に相応しい刀匠12名に刀の奉納を一振づつお願いしていきます。目標は、御番鍛冶の伝承に沿って12振。すべての奉納刀が揃うまでプロジェクトの継続を目指します。

奉納の儀式を終えた奉納刀は後鳥羽院資料館にて展示し、皆様にご鑑賞いただけるよう設備などを整えていく予定です。
新御番鍛冶の記念すべき第1刀目の製作は、令和3年(2021)10月16日(土)秋の大祭で月山貞利氏による神前鍛錬より始まります。およそ1年をかけ作刀に入り、完成次第、隠岐神社の大祭にて「奉納の儀」が行われます。

第11回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」終了のご報告とご来場御礼

 8月29日(日)をもちまして、第11回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」が無事終了いたしました。この間、多くの皆さまにご来場頂き心より御礼申し上げます。
 現在も続くコロナ禍ということもあり開催が危ぶまれておりましたが、会場となりました坂城町「鉄の展示館」のご支援ご協力を得まして、新型コロナ感染拡大防止対策もきちんと実施して頂いた上で開催し無事会期を終えることが出来ました。坂城町はじめ開催にあたりご協力頂きました関係各位の皆さまに改めて心から御礼申し上げます。
 また、各種ご協賛を頂き運営をサポートして頂きました皆さまにも深く感謝申し上げます。来年こそは、晴れて今まで通り関連イベントもお楽しみ頂きながら、刀職者の皆さまの卓越した作品を鑑賞できる展覧会を開催したく思います。
 どうか来年もよろしくお願いいたします。

公益財団法人日本刀文化振興協会 
理事長 吉原 國家