理事長就任のご挨拶

 この度、公益財団法人日本刀文化振興協会理事長に就任いたしました大野義光(本名:吉川三男)でございます。天田昭次初代理事長に始まり、本阿彌光洲元理事長、吉原國家前理事長と、歴代の刀剣界重鎮の後を引き継ぐことの重さに身が引き締まる思いです。
 特に、この度は吉原義人師と並び私にとっての師匠である吉原國家師の逝去を受けてのことでもあり、去就につきましては本当に逡巡いたしましたが、國家師の意思を未来に繋げる役割を担うべく、就任をお引き受けすることといたしました。
 私が申し上げるまでもなく、國家師は若くして頭角を現し、今日隆盛をみる現代刀備前伝の先駆的存在といっても過言でもありません。旺盛な仕事量、作品の完成度の高さなど一門のみならず多くの刀工の手本となっておりました。また、平成18年には全日本刀匠会会長として強いリーダーシップを発揮し、全日本刀匠会の独立を成し遂げました。
 昨今の日本刀ブームは依然として冷めやまないことは大変喜ばしいことですが、単なるブームに留まらない、正しい日本刀の姿を伝えるべく、力を尽くすことをお伝えして就任のご挨拶といたします。

令和5年7月