令和6年6月8日、第14回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」の授賞式を、長野県坂城町「鉄の展示館」にて執り行いました。
刀文協は新年度の公益目的事業として、当協会のほか長野県の坂城町・坂城町鉄の展示館との主催により、下記の通り第14回「新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」を開催致します。本展は下記の通り、大臣賞をはじめ各賞をもって優れた作品を顕彰する「コンクール形式」とするとともに、併せて、当協会の会員・非会員であることに関係なく、日本刀製作に携わる全ての職方の皆さまの成果を広く一般に公開し、正に日本刀文化の振興を図るものであります。
令和5年度は、第13回展作品を長野県の「坂城町鉄の展示館」(前期展)と、静岡県の「佐野美術館」 (後期展)にて順に展示し、合わせて1万2千名を超える多くの皆様に現代刀をご覧いただくなど国内外からも大いに注目される年となりました。
案内をご精読の上、皆様には鋭意ご応募いただきますよう、開催の概要に関してご案内を申し上げます。今回も充実した作品のご出品を期待しております。
※今回も、作刀・刀身彫刻/研磨/刀装の3部門の他に、特別公開部門として、“Sword Oshigata Art”部門を設けます。詳細はこちらのご案内をご覧ください。
○会場と会期
「坂城町 鉄の展示館」
〒389-0601 長野県埴科郡坂城町坂城6313-2
令和6年6月8日(土)~9月16日(月)
尚、授賞式・懇親会は「坂城町 鉄の展示館」の開催初日を予定
○部門:作刀・刀身彫刻/研磨/刀装の3部門
○分野:作刀・刀身彫刻・研磨・鐔(その他刀装具)・白銀(鎺その他金具)・白鞘・拵下地・柄巻き・鞘塗り・拵
●審査申込締切:3月29日(金)必着
審査申込書(PDF形式)はこちらからダウンロード
審査申込書(Excel形式)はこちらからダウンロード
*申込者には、4月上旬に出品票・審査料振込用紙を送付いたします。
●作品受付:4月20日(土)・21日(日)の2日間、午前10時より午後4時まで。
坂城町 鉄の展示館(長野県埴科郡坂城町坂城6313-2)
送付による受付も可。但し、上記期間内必着。「時間指定なし」で送付のこと。
●出品料:1分野につき15,000円(会場の保険料・展示費用・運搬費等含む)
但し、日本刀文化振興協会の会員は10,000円(内容は同上)とする。
※その他の詳細は事務局にお問い合わせください。
公益財団法人日本刀文化振興協会 事務局
〒115-0044 東京都北区赤羽南2-4-7 鷹匠ハイツ301号
https://www.nbsk-jp.org/ 電話03(5249)4440 FAX03(5249)0065 E-MAIL tbk@nbsk-jp.org
本年も坂城町中心市街地コミュニティセンターで「刀職者実技研修会」を8月26日から3日間にわたり開催致しました。今年も好評で、プロ・セミプロ・初心者の刀職者及び刀職従事希望の皆様にご参加頂き、真剣な中にも、職種の垣根を越えて一同に会ずる研修として大いに実りあるものとなりました。
中には将来、「刀鍛冶」希望の高校生に参加頂くなど、公益財団法人として今後引き続き人材育成にも寄与していきたいと考えております。(講師9名・研修生28名・その他研修補助員が参加)
また「坂城町鉄の展示館」の一般の来館者にも研修の様子を自由に見学して頂き、刀職の世界をより身近に感じて頂けたかと思います。
【研修生の感想】 彫金部門―男性― 長年日本に住んでいますが、日本に住んでいてもこうしてこんなに近くで日本の伝統工芸品や技術を見ることは貴重ですし、また実際に体験できることはなかなかないので、非常に貴重な経験をさせていただきました。 また、浮世絵の中でしか見られないような、それぞれの専門を持つ職人の方々が並んでいる光景も見られて感激でした。 私は今回彫金の研修を受けさせていただきましたが、他の専門の先生方の研修も近くでされていましたので、横や後ろなど目の届く範囲で先生方が手を動かしている姿が見え、また時には話も伺うことができ、参加していないコースの先生方であっても質問すると丁寧に答えていただけ様々な知識を増やすこともできましたので、非常にありがたい経験となりました。 みなさん伝統工芸や刀の世界は堅苦しい世界かと思いがちかもしれませんが、先生を始め参加者の方々も非常にフレンドリーで親切に交流していただけ、人との出会いで自分の社交の輪も広くすることができたので非常に有意義な時間を過ごすことができました。 この度は、本当にこのような経験をさせて頂きありがとうございました。また来年の研修も楽しみにしております。 彫金部門―女性― 刀職従事有無/経験に関わらず参加出来て有り難かった。 普段の作業状況に近しい環境を提供いただき、集中して講習を受けることが出来た。 他の参加者方の研修内容も大変参考になった。 白銀部門―女性― 沢山あった疑問が次々と解決し、知らないことを知るたびに面白くて仕方ありませんでした。そのため、先生を質問攻めにしてしまいましたし、他の部門の見学があまりできませんでした。それくらい充実していました。視野が狭くなってしまいましたが、事務局や講師の皆さんが一般の見学の来館者の対応や道具などの問題にすぐに対応してくださり、安心して自分の作業に打ち込むことができました。あまり他の見学はできませんでしたが、刀に関わる仕事のほとんどが1つの場所に集まり、俯瞰できたのも大きな勉強になりました。 白銀部門―男性― 長年参加させていただいておりますが、他の研修生へのご回答・ご指導が私にとりましても大変勉強になり、自分がこれまで見えてこなかった「気づき」の機会となっております。皆で集まっての意見交換も大変勉強になり、私にとって大きく前進できた三日間となりました。コロナ過の山は越えたと云うものも、ご指導いただく先生方を始め、事務局の皆様、会場展示館の皆様の準備や運営のご苦労につきまして、本当に感謝申し上げる次第です。今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。 研磨部門―男性― 今回初めて研ぎの研修台に座りましたが、とても丁寧に作業をご教示いただき、楽しく作業工程を学ぶことができました。加えて、自分が参加した職種のみならず、他の先生方、研修生の方々とも交流ができ、貴重なご縁をいただけたことも刀職を志す上で、大変有意義でした。いろいろな職方さまから、一度にお話を伺える希少な機会をいただき、誠にありがとうございました。 柄巻部門―女性― 2日間の参加でしたが、しっかり研修させていただきました。初めての作業でしたが少しずつ巻き方が出来て大変楽しかったです。周囲の方も良い方ばかりで前向きに取り組めました。 白銀部門―男性― 研修開始前・開催後と何度となくお電話もいただき、より多くのことを学べるようにとの心遣いをいただきました。ご自宅工房へも〝機会があるようならば、ぜひお越しください〟とのお言葉もいただき、大変ありがたく恐縮している次第です。今年度の受講生は、例年以上に熱心な受講姿勢で、講師の先生は満足な休憩もできずじまいであったかと存じます、本当にありがとうございました。 研磨部門―男性― 見て技を盗め、と云うのが常の職人の世界で、研ぎ場での姿勢から刀の固定、動かし方まで懇切、丁寧にご教示いただき、大変感謝しております。また、最高峰の研師の先生の作業を至近距離で拝見することができ、正しい研ぎのイメージを最初に印象づけられたことで、とても心強いスタートを切ることができました。研修中のみならず、今後作業を進めていく環境についても、親身になって相談に乗っていただき、自宅でも少しずつ進められそうで、希望が持てた研修会でした。重ね重ね、至れり尽くせりでありがとうございました。 白鞘部門―男性― 質問への回答も分かりやすく非常に勉強になりました。他部門の先生方も垣根のない雰囲気で相談がしやすく、それが和気あいあいとした研修の要因になったと感じています。 柄巻部門―女性― とても気さくな方で、研修の内容も様子を見ながら進めてくださり無理なく楽しく受講出来ました。 作刀部門―男性― 今回、研修の最初に刀鍛冶の現状とその厳しさについて飾ることも誇張もなく語っていただいたときに、日本刀文化がなくなってほしくないと自分の中でより強く再認識ができました。それと同時に宮入一門の努力と苦労を感じ、自分なりに今後どのように日本刀に関わり、貢献できるのかより考えるようになりました。現時点では日本刀を購入及び使う側のままでいるのか、日本刀の製作側として携わりたいのか答えはまだ出ておりませんが、いずれにせよ大好きな日本刀に関わって生きていこうと思っています。
6/22日に目白庭園「赤鳥庵」で久しぶりに特別鑑賞会を開催致しました。
参加者の方から
〝落ち着いた和室で鑑賞する日本刀や刀装具はやはり素晴らしいです。次回も是非参加したいです〟
〝こんなにリラックスして、本物を手にとって鑑賞したことはありませんでした。〟
〝現職の鞘師や研師の刀職者の皆さんが、自分の質問に判りやすくお答え頂き目から鱗とはこのことか、と実感しました。〟
〝一振り一振り、丁寧に解説頂き、自分では気がつかなかった刀の見方を教えて頂き心から感謝いたします〟
〝現代刀の魅力を教えて頂きありがとうございました。現代刀の見方が変わりました〟
などのお声を頂きました。
ご参加頂きました皆様に心から御礼申し上げます。
『出品作品一覧』
目貫: 一輪牡丹 作者 加納夏雄
鐔 : 象図 作者 予州松山住人正阿弥盛国
鐔 : 霊峰図 作者 予州松山住人正阿弥盛国
鐔 : ロザリオ図 作者 信家(放れ銘)
鐔 : 花形無文図 作者 信家(太字銘)
三所物 :獅子図 作者 後藤祐乗
金銅装刀子 :作者 吉原荘二 廣井章久
脇差 :長谷部国重 蟹仙洞旧蔵 付 黒石目地塗刻鞘打刀拵
脇差 :与三左衛門尉祐定 黒田筑前守所持 号袈裟落
太刀 :備州長船重吉 明徳三年十 蟹仙洞旧蔵 付 金梨地菊紋散鞘糸巻太刀拵
刀 :孫六兼元 蟹仙洞旧蔵 付 変わり塗鞘打刀拵
太刀 :(現代刀) 金田七郎国真
ここ数年、コロナ禍により開催が中断しておりました公開鑑賞会が4月2日(土)、千代田区神田公園区民館「内神田集会室」にて久しぶりに開催されました。ベテランの愛刀家様や初心者を自称される方にもご参加頂き、池田 長正講師、泉 公士郎講師による説明を基に和やかな雰囲気の中で刀や刀装具を愉しんで頂きました。
次回の開催を楽しみにしていてください。
―女性の参加者様よりご感想をいただきました―
「4月2日の公開鑑賞会に参加させていただき、ありがとうございました。会では皆様に大変お世話になりました。本物に触れて、有意義なお話もたくさん聞かせていただくことが出来て、とても嬉しい気持ちで帰宅致しました。また機会がありましたら是非参加させていただきたいと思っております。」
12月6日(金)午後3時より千代田区永田町にあります「憲政記念館」にて、「公益財団法人日本刀文化振興協会設立10周年記念祝賀会」が盛大に開催されました。
当日は議員連盟、刀剣商業協同組合、各職方、愛刀家、刀剣女子と言われる方々など、各方面の皆さま合計170名にものぼるご出席を賜り、和やかな雰囲気で閉会まで談笑の輪が絶えることはありませんでした。
途中でサプライズプレゼントとして、刀職者自ら製作した小刀、文鎮、兵庫鎖イヤリング、銘切りプレート、サイン入りマンガ「KATANA」、刃文入りグラス、鶴丸のカフスセットなど特色あるお品をお渡しすることが出来、ご参加の皆さまに喜んでいただきました。
また開始前より、別室にて重要無形文化財保持者桂盛仁様、故天田昭次元理事長、本阿彌光洲前理事長の作品や、各種刀剣・刀装具の「特別展示」を行い当協会ならではの展示もお楽しみいただきました。
末筆になりましたが、これまで、当協会をご支援いただいた皆様に御礼を申し上げますと共に、今後も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。